昨年(2022年)の5月に黒部名水マラソンを完走してから、「本当にああいう走り方でよかったのだろうか?」というかすかな心残りを抱いていたのが、今回東京マラソンをがんばろうと思った、そもそものきっかけでした。
とはいっても、東京マラソンは2019年に当選した貴重な出走切符で、誰でも参加できるものでもありません。
この東京マラソンに関して、僕は2020年の大会中止をきっかけに、意欲がそがれ始めていました。もう記憶が定かではないのですが、2020年の大会中止以降、何度か東京マラソンの開催の連絡がきては中止になり、また開催の連絡がきて、何年の大会に出られるか選択できるシステムとなり、その選択をするたびに、自分の気持ちがどうも東京マラソンに向いていないことに、いちいち気づかされ、内心ショックを受けていたことを思い出します。
2022年の東京マラソンに関しては、私は出ていないのですが、手荷物預けがなかったと聞きました。ここでまた、東京マラソンへの気持ちが薄れてしまったことも事実です。
2022年5月に黒部名水マラソンに出た時は、徐々にペースを上げていくネガティブスプリットで走ることを目標にして、マラソンを楽しみました。それまであまり練習ができなかった僕は、後半に大失速。それでも、ギリギリサブ3.5で走り切りました。
2022年の黒部名水マラソンを走り終えて、1週間ほど経ってから、
「ちゃんと練習しておけば、もっといい走り方ができたのではないか」
と思うようになり、そこからまた、マラソンの練習が始まりました。
このブログでマラソンの月報を書き始めたのもその頃からです。
それで、半年近くおおむね順調に練習を積み重ねてきたのですが、今年(2023年)の1月に入ってから、寒さで練習から遠ざかってしまいました。さらには1月末、住んでいる地域の、近年まれに見る大雪で、とても外を走れる状況ではなくなり、1週間の休足。さらに、慣れない雪かきをした日を境に、体調を崩してしまい、そこからさらに1週間休養せざるを得なくなりました。
せっかくあんなに練習を積み重ねたのに、体づくりをしたのに、全部リセットしてしまった、というのがショックでした。それで、一時的に、「もう東京マラソンはあきらめよう」という方向に、気持ちは一気に傾いてしまいました。
その時はまだ電車の切符の予約もまだしていなかったし、ホテルの予約はまだキャンセルが可能のタイミングでした。エントリー料金の約2万円は、寄付するような形にはなってしまいますが、体調のことも考えて、もうこれはDNS(Don’t start)だなと。
これをきっかけに、静かにマラソンごと辞めようかとまで思っていました。
そんな状態でしたので、2023年1月からのランニング月報はアップしていません。
*
そんなやる気の波が激しかった僕が、「やっぱり東京マラソンに出よう」と思い直したのは、家族から、「せっかくだから記念に走ってきたら?完走はできるのだから」と言われたことがきっかけです。なにげない一言でしたが、ああ、それぐらいの気楽な気持ちでいいのかもな、と、心が軽くなったのを憶えています。
今回は、そんな気持ちグラグラな僕が、なんとか気持ちを立て直して東京マラソンに出たよという、個人的に記録に残しておきたいレポートになります。
また、今後東京マラソンに出てみたいという方がおられましたら、少しでも参考になれば幸いです。
目次
東京マラソン(2023)に向けての練習成果
練習成果としては、走った距離は下記の通りでした。
先ほども書いたように、今年の1月から2月にかけては、思ったような走りが全くできずでした。
もうここまできたら、せめて完走だけはしたいという思いだけで、今回東京マラソンに臨みました。
東京マラソン(2023)の前日受付の様子
前日受付は、東京ビッグサイトです。
新幹線で品川まで向かい、そこから新橋駅へ。
新橋駅からゆりかもめに乗ること約25分、東京ビッグサイト駅に到着です。
でかい…。
もうここまでくると、前日受付の案内の方が、「会場はこちらでーす」と案内してくださっています。
進んでいくと、案の定行列ができていました。
さすがに人が多いからか、なかなか前に進みません。
15分くらい、いや20分くらい並んでいたでしょうか。
ちょっとずつ、ちょっとずつ前に進み、ようやくランナー受付の会場にまでやってきました。
そこからさらに受付に並びます。
遠方から来ていた僕は、待ちながらリュックが重たかったです…。
ここで、健康チェックアプリの提示と、本人確認を提示して、それが完了したらようやくEXPOの方に進みます。
EXPOは、受付をしていた階と、その下の階と二か所に分かれて開催されていました。
僕はもう、リュックが重たくて、EXPOにそんなに時間をかけられないような気がして、そそくさと順路を歩きました。
本当はもっとゆっくり見たかったですが、仕方ないですね。
今回、EXPOでもらったのがこちら↓
EXPOで購入したのはこちら↓
以上が前日受付のハイライトでした。
東京近郊にお住まいの方であれば、3/2(木)や3/3(金)に受付を済ませるほうが、体力的にも本番に影響が出ずにすむのでオススメなのかなと思います。
東京マラソン(2023)の前日に宿泊したホテル
今回僕が宿泊したのは、新宿駅の近くにある、ホテルサンルートプラザ新宿です。
東京のことが詳しくないので、地図とにらめっこしながら向かいましたが、到着してみると、すぐ近くに駅の地下道出入り口がありました。少し歩きましたが、慣れている人にとってはアクセスが便利な場所なのだと思います。
ロビーで荷物を預かってもらい、先にお昼ごはんへ。
何があるかも分かりませんでしたが、そこはさすがの東京。
なんでもありました。
僕は近くにあるラーメン屋「十味や」へ。
とにかくこってりしたものが食べたかったので、近くにこんなお店があって本当に助かりました。
おいしかったです!
食べ終わったら、コンビニで夕飯と朝ご飯の買い出しをして、ホテルへ。
そして、お決まりのモルテン注入。
翌日あんなことになるとは思いもせずに…。
それから、東京マラソンでは、合計2回、PCR検査キットでセルフ検査をしないといけませんので、粛々と行いました。
それが終わったら、ユニフォームにゼッケンをつけたり、翌日の荷物の整理をしたり、…まあとにかく疲れました(笑)
正直なことを言うと、これまで参加してきた大会の中では一番めんどくさかったです(笑)(ストレートな表現すみません!)
でももうここまできたら最後までやりとげようという思いでした。
前日の夜に、NHKで『南海トラフ巨大地震』というドラマがやっていて、なかなか寝付けなかったのでおもわず見てしまい、余計に動悸が激しくなりました(笑)
でも、ああいうドラマを見せられると、タイムがどうとか、そんなことは本当に小さなことで、生きているだけでラッキーで、完走して無事に家に帰ることができたらそれだけで十分ではないかと、つくづく思いました。
東京マラソン(2023)当日の朝
当日の朝は4時に起床しました。
再びPCR検査。
この結果を健康アプリに登録します。
そして、買い込んだ朝食のおにぎりや、持参していたアンパワーようかんを食べます。
そして、現地では着替えられないので(※)、ユニフォームに着替えて、カッパに細工を施しました。
※実際には現地に、女性用の更衣テントは設けられていました。
これで、スタート前の毛布代わりにするのです。
シューズはこんな感じです↓
恥ずかしながらユニフォーム姿はこちら↓
今回はポーチを2つつけて走ることになりました。
大きめのポーチにはスマホを入れることに。緊急の災害時を想定して、連絡手段を確保して下さい、といった主旨のことが伝えられていました。
前日の夜にあんなドラマを見てしまっているので、スマホは持っておかないといけないと思いました。
というわけで、出発です!
*
都庁の方へ向かっていくと、朝方からスタッフさん達が案内をしてくださっています(ありがとうございます!)
僕はCブロックの人で、GATE1の方へと歩いていきます。
途中から地下道を歩きましたが、まあまあ距離がありました。
都会って感じです…。
そして、ようやくGATE1の入口に到着。
ここでは、健康アプリを提示し、ゲートをくぐると、その次に、手荷物チェックが行われます。
まるで飛行機の搭乗口のようです。
そして…。
「すいません、水筒は持ち込み禁止なんですよね」
あ…。
リュックを開けた時に指摘されたのは、あのモルテンボトルでした。
ああ…。
モルテンボトルも水筒なのか…。
「ああ、じゃあ、廃棄で…」
モルテンさん、本当にごめんなさい。
そんなことになるなんて。
水筒という認識が全くなかったのが誤算でした。でも仕方がありません。
ようやく第0関門をくぐり抜け、ようやく手荷物預けの場所へ。
手荷物袋に、僕の荷物はパンパン、ギリッギリでした。
他の大阪マラソンや、神戸マラソンなどの手荷物袋よりはなんとなく小さいような感じで、しかも袋自体が若干薄いような気がしました。
でもなんとかパッキング完了!
パンパンなのは、冬の時期で、服の量が多いというのが理由かもしれません。
まあでも、なんとか詰め込みました…!
手荷物トラックに預けます。
スタートブロックに並ぶ前に、トイレに行ったりして時間を過ごします。
ありがたかったのは、トイレにはそんなに並ばなかったこと。
それから、給水エリアには、アミノバリューの粉が大量に置かれていたことです。
アミノバリューは本当にありがたいので、一つ頂き、スタートブロックで口にすることに。
そしていよいよ、Cブロックのエリアに向かいます。
この日は風が強くて、まわりのランナーさん達が皆、もちろん僕もですが、体が震えあがっていました。
寒い!
あと、カッパを捨てる場所があるのか不安でしたが、スタートブロックの脇に、ちゃんと用意して下さっていました。
まあとにかくスタート前は寒かったです!
結局、カッパの内側に3か所、貼るカイロをしていましたが、カッパを捨てる前に、一つはネックウォーマーの首筋に、一つは折り畳んで片手に、そしてもう一つはユニフォームの背中に貼りかえました。
フルマラソンは、9時10分にスタートです。
東京マラソン(2023)本番がいよいよスタート!
コース紹介動画です↓
コースマップはこちら↓
*
<1~10キロのラップ>
10キロまでは順調に走っていました。
順調に感じたのは、単純に、序盤から下り坂だったというだけなのかもしれませんが。
5キロぐらい走ると、「手袋暑いかな」と思い、外してゴミ箱に捨てました。お気に入りの手袋でしたが、糸がほつれてボロボロだったので、心の中でありがとうと言いながら捨てました。あとは、背中のカイロも途中で剥がして捨てました。
スタート前は寒さ対策でしたが、スタート後は暑さ対策をしないといけない本大会だったかもしれません。
<11~20キロのラップ>
微妙な上がり下りが、自分には堪えました。
「東京マラソンは高速レース」と言われますが、それはあくまでも、練習をみっちりした人だけが味わえる部分です。
僕のように、途中から練習が途切れてしまった人には、そのちょっとした上がり下がりがこたえるのです。。。
こちらは18キロ付近、浅草の雷門前を通過する筆者↓
本当は16キロすぎくらいから、4:15/キロに上げていこうという作戦でしたが、そんなことはできないと判断しました。
それどころか、ペースを維持するのに必死…。
<21~30キロのラップ>
25キロを過ぎるあたりから、徐々に太ももの疲れを感じ始めました。
「やばいなこれ…」
給水ポイントに着くたびに、水やポカリを足にかけ、冷やして、疲れを麻痺させました。
自分の中ではなんとか持ちこたえているつもりでしたが、こうやってラップを振り返ると、徐々にペースが落ちてきているのがわかり、ああやっぱりきつかったんだと思いました。
場所は確定できないのですが、後半の筆者の様子がこちら↓
もう、歯を食いしばり始めていました。
<31~40キロのラップ>
言わずもがなの結果です。
どんどんペースは落ちてきて、後ろからどんどんやってくるランナーに追い抜かされていきます。
追いかける余力など、どこにもありません。
35キロをすぎた時には、頭の中で、「あと7キロ…、あと6キロ…」とカウントダウンを始めていました。
とにかく完走はせねば…。
思えばサブスリーを達成したのが、2019年の金沢マラソンでした。
僕がサブスリーを達成したのは、その時だけです。
なので、サブスリーランナーというのはおこがましいことだと思っています。
今回は走りながら、なんとかサブ3.5で走り切ることはできるのでは、と思い、気力だけで走り続けました。
オールスポーツさんの撮影ポイントを通過する時も、とにかく無心。
ゴールしなくちゃ、ゴールしなくちゃ…。
ただそれだけでした。
<41~42.195キロのラップ>
最後は、6:00/キロぐらいにまでペースが落ちており、ラストスパートする力が全く残っていませんでした。
手元のガーミンと、掲示されているキロ数に500メートルほどのずれがあったので、気分的に多めに走った感があり、きつかったです(笑)
ゴールが見えてきて、そしてゴールした時、ちょっとだけ泣きました。
終わった!やっと終わった!という、なんとも言えない感動でした。
フルマラソンでそういう感情になったのは、初マラソン以来かもしれません。
*
フィニッシュ後に振り返った景色↓
*
ガーミンの結果を見ると、自分にはきつかったのだなと思い知らされます。
完走できたことが、本当に何よりうれしくて、この経験は宝物です。
僕にとっての2020年がようやく終わったなと思いました。
東京マラソンを走り終えて
3月のマラソン大会は、これが初めてでした。
これまでに、京都マラソンを2度DNSしていましたし、自分には、冬のこの時期のマラソン大会とは相性がよくないのかも、という思いでここまできました。
だから、今回の東京マラソンへの参戦は、僕にとっては本当に大変なことでした。
よく参加できたなと。
そして、よく完走できたね、と。
完走して、安堵の気持ちで一杯です。
そして、以前の月報にも書きましたが、フルマラソンへの参加はこれを最後にしたいと思います。
…といいつつ、急に気が変わってエントリーしてしまう可能性も、なくはないです(笑)
まあ、当面の間は、もうこりごりです(笑)
フルマラソンは大変ですね!
でも、やり遂げると、それだけ達成感もハンパないです!
これから東京マラソンにエントリーする方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!